学名 : Narcissus
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ナルキッソスは河神・ケピソスと、青い水に住む青い肌の妖精(ニンフ)・レイリオペの間に生まれた、
世にも美しい青年でした。
彼を見ると、娘たちはもちろん若者は誰でも皆、恋焦がれるようになったといいます。
しかしナルキッソスは誰の愛も受け入れず、相手を傷つけるばかりでした。
そしてとうとう女神の怒りにふれてしまい、いくら恋しても恋してもかなわぬ恋に苦しむこととなったのです。
ある日、ナルキッソスは森の中で静かに澄んだ泉をみつけました。
そして水を飲もうと泉に身を乗りだした時、そこには美しい青年の姿があったのです。
彼はひと目でその青年に恋してしまいました。
でもその思いはどうすることもできません。
泉のほとりに座ってずっと水面に映った自分の姿を見つめる毎日です。
手をのばして抱こうとしても、指が水に触れたとたんにどこかに行ってしまいます。
いくら話しかけても向こうからやさしい言葉は返ってきません。
そんなかなわぬ恋の切なさに苦しみ、日ごとにやせ衰え、
ついにはその場に倒れて動けなくなってしまいました。
心配したニンフたちが泉に来てみると、そこにはもうナルキッソスの姿はありません。
そして彼が座っていた場所には、ちょうど水面をのぞき込むように美しい花が一本咲いていました。
ギリシャ神話 より
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by sous_le_nez
| 2012-01-21 21:13
| いろいろ